初めての接待。これも現地採用者の仕事?

IMG_6755そして、もう一つの試練がやってきた。

それは接待だ。
実は、僕は接待らしきものを、これまでしたことがなかった。

日本で勤めていた会社は、接待を禁止していたからだ。

ある見込み客から、一緒に食事に誘われた。
そして、メールには「いいお店あったら紹介してよ」との一文が。

これは食事後のことを指しており、いわゆる大人の夜のスポットに付き合ってくれということだ。
僕は18Aで知り合った日本人の人に、いくつかお店を紹介してもらっていたことを思い出した。

そして、スカイプで社長とのミーティングのさいに、接待費は領収書で落としていいのかを訊ねると、社長は二つ返事でOKを出してくれた。
「もちろん契約がとれるんですよね?」と軽い脅しを入れられたが……。

「領収書は赤ビルをもらってください。そのあとは、ハウさんに渡してください」
とタムが言った。
はじめてハウさんが活躍してくれるようだ。

これが現地採用者の宿命?

IMG_6903ホーチミンで夜の接待といえば、基本はカラオケとなる。
レストランで食事をとったあと、レタントン通りにあるカラオケ店に入る。

店はむしろお客の方がよく知っていた。
「ここはかわいい子がいないんだよね」
「こっちの店はいつも指名していた子が辞めちゃったからいいや」
「ここの子はみんなチップチップでうるさいから嫌だ」

とむしろ僕の方が勉強になる。
そして、お客が店を勝手に選び、あるカラオケ店に入っていった。

「ここは僕が出します。経費で落ちるんで」
というと、お客はニッと笑みを浮かべて、「そう? 悪いね」と悪びれた素振りもなく言った。
どうやらこのようなカラオケ接待に慣れているようだ。

カラオケは定額で飲み放題、歌い放題、時間制限なしのようだ。
一人につきカラオケレディを一人指名できる。

僕はこの手の店はからっきしだったので、かなり胸がドキドキした。
しかし、日本のキャバクラのような華々しさはなく、どちらかというと敷居が低くアットホームな雰囲気だった。

大部屋のカラオケルームに通され、お客は僕そっちのけでカラオケレディと会話をしたり、手を握りながら歌を披露した。
僕はただ聞きながら、時々僕が指名したカラオケレディと会話をするだけだった。

「いやいや、正直このお店かわいい子いなかったな」
2時間ほど遊んで、お店を出たあとにお客はタバコをふかしながらそう言った。

「じゃあ、俺はもう帰るね。さすがにタクシー代は俺が自分で出すから」と笑いながらタクシーを捕まえ、一人乗り込んだ。
僕は一度お辞儀をして、お客と別れ、そのあとカラオケ店に戻って赤ビルの手配をしてもらった。

18Aの住人に訊くと、これがベトナムの接待らしい。
基本はカラオケ。

相手によってはさらにディープなところに行くこともあるようだが、そちらは赤ビルと呼ばれる税金申告に提出できる専用の領収書が出ないので、自腹を切るしかないらしい。

自宅に着いたころにはすでに23時を回っていた。
やれやれ、と僕は早々に就寝した。

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