友人から恋人に発展?ベトナム人と初デート

IMG_9947ベトナム人女性と初デートをすることになった。

移住して4か月目に突入したが、いまのところベトナム人の女性とデートらしきことはしたことがない。
しいていえば、リンと食事をしたくらいだが、それはデートというよりは、ルームメイトとの単なる食事であった

デートの相手は人文大学の学生で、僕がここでベトナム語を学び始めてから、比較的早くに知り合った22歳の4年生だ。

名前はゴック。
日本語を勉強しはじめてから2年経つというが、なかなか流暢に話す。

「シンイチはデップチャイ!」
と彼女はいつも言っていた。

「シンイチ」とは工藤新一。
つまり、アニメの名探偵コナンに登場する主人公の名前だ。

そして「デップチャイ」とはハンサムという意味。
ベトナム人女性にとって、彼はハンサムのようだ。
決して否定はしないが、あの漫画をそのような角度から見ていることに、いささか驚いた。

トラブル続きの初デート

IMG_9807初めてのベトナム人とのデートは前途多難だった。

彼女は非常に親しみやすい性格だったし、いつも優しく僕に接してくれていた。
しかし、どうやら友人から彼氏へと昇格するには、かなりの時間を要するとともに、日本人カップルにはないマナーを習得する必要もあるようだ。

まず、僕たちは人文大学で待ち合わせした。
僕はバイクを持っていなかったが、それを彼女は知らなかったのだ。
「じゃあ私のバイクで行きましょう」とため息をついて言った彼女の表情はすでに曇っていた。

ベトナム人の女性にとっては、男が運転して女が後ろにまたがるのが基本らしく、その逆は彼女にとっては多少の抵抗があるようだ。

次なる試練はカフェだった。

冷房の効いたカフェに入るやいなや、僕は早く腰を落ち着きたく、すぐにテーブル席のソファに座った。
しかし、後ろにいたはずの彼女はなかなか来ない。

どうしたんだろうと席を立つと、彼女は明らかに怒った表情で、「ここは最初に注文するの!」と言った。

僕は平謝りしてレジに寄って注文したら、「お会計!」と今度は彼女はレジに表示されている料金を指さした。

もちろん彼女の分も無条件で僕が払う。
そして、ようやく席に座って落ち着くと、彼女はおもむろにスマートフォンをとりだし、自撮りをはじめた。

確かに回りをみると、多くの女性が自撮りをしている。
僕はわざとフレームに入り込もうとしたら、あなたも写りたいの? といわんばかりの不服そうな表情で僕をにらんだ。

ベトナム人のデートコースを知る

ゴックからいろいろと聞いたところ、ベトナム人の若者の言葉には「an uong=アンウン」というものがある。
「an=食べる」、「uong=飲む」、つまりカフェに行こうという意味のようだ。

カフェ文化はフランスの統治下時代に浸透した民間文化だが、21世紀の今でもしっかりと若者の間に定着しているようだ。
カフェのあとは一般的に映画館へ行くことになる。

日中は日差しが強いので、日焼けを嫌がる女性に対しての男性側の配慮だ。
基本的にベトナムはレディファーストがしっかりと根付いていた。

その後、ベトナム人のカップルたちは公園へ行って散歩する。
屋台で食事をとるのが基本で、月に一回か二回レストランで食事をする。

また、毎回二人だけでデートするのではなく、友人同士集まって遊んだり、ダブルデートをすることもよくあるようだ。

ベトナム人男子学生の恋愛が長続きしない理由

映画を見たあと、僕とゴックはディナーにレストランへ行った。
ゴックは日本が好きで日本語を勉強しているが、日本食レストランへは行ったことがないという。

そこで、僕は彼女に日本食が寿司だけではないことを知ってもらいたく、一品料理が充実しているレタントン界隈のレストランに行った。

メニューを見るなり、彼女の瞳が輝きだし、「これもおいしそう、これもおいしそう」という。
「好きなの選びな」と僕は気取っていってみると、彼女は本当に容赦なく好きなものを好きなだけ注文した。

5切れほどしかないサーモンの刺身は15万ドンで、僕がいつも食堂で食べるフォーの5倍の値段がした。
いままで食べたことも見たこともないという、牛刺しに、さらに50万ドンする刺身の盛り合わせとオーダーは続く……。

結局、ここの支払いは総額150万ドンほどした。
日本円にして7500円だ。

会計は基本男性持ちというのがベトナムの習慣のようで、これがベトナム人の貧乏学生の男子がなかなか彼女ができない理由に挙げられる。

人文大学で知り合ったベトナム人学生のディエンは、最近彼女と別れたらしい。
その理由を訊ねると、「お金がなくなったから」とのことだ。
なんとも冴えない話だが、それがベトナム人男性の抱える悩みだ。

食事のあと、僕と彼女はその場で別れることになった。
彼女はヘルメットをかぶってエンジンをふかしたあと、「次の食事は友達も呼びましょう」と笑顔で言って走り去っていった。

僕は苦笑いをして彼女の背中をみおくった。
デートの待ち合わせ場所に行く前は、ひたすら楽しみだったのに、デートが進むにつれ、僕は財布の心配しかしなくなった。

僕の心が狭いという人もいるかと思うが、お金というのは非常に切実な問題なのだということを理解してほしい。

その夜、久しぶりにリンに連絡をとってみて、今日の一部始終を話したら盛大に笑われた。

「その子はあなたが外国人だから、お金持ちだと思ったのよ」
とのことだ。

なるほど。
しかし、あの容赦のなさは、軽いトラウマを僕に抱かせるほどだった。

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